11月3日(日・祝)8:10に号砲を迎える第56回全日本大学駅伝。
熱田神宮西門前を出発点とし、伊勢神宮内宮宇治橋前で迎えるフィニッシュまでの距離は106.8㎞。気象コンディション的に走りやすく、毎年のように区間新記録が更新されるコースだ。
この記事では、日本一の大学を決める全日本大学駅伝2024のエントリー・コース・日程・出場校・区間・スタート時間などを紹介。5連覇を狙う駒澤大学や出雲駅伝覇者・國學院大学など優勝候補の予想として挙げられる大学も取り上げていく。
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全日本大学駅伝2024 エントリー・コース・日程・出場校・放送予定などを紹介
コース・区間紹介
熱田神宮前を一斉に飛び出していく1区。昨年は中継カメラが近すぎて吉居駿恭(中央大学)が手で促す仕草を見せたが、今年はそんなことがないようランナーとの距離感を大事にしてもらいたい。
コースは10kmに満たないスピード区間で、後続と大差がつきにくいことから三浦龍司(順天堂大学)、砂岡拓磨(城西大学)といった5000m以下の実績に秀でたタイプの投入も少なくない。どちらかと言えば1・2年生の起用が目立つ区間だ。
日光川大橋と木曽川大橋、この2つを除いてフラットな区間。全日本大学駅伝2023はこの区間に佐藤圭汰(駒澤大学)、黒田朝日(青山学院大学)、前田和摩(東京農業大学)、山口智規(早稲田大学)と各大学のエース級が集い白熱の戦いとなった。近年その重要性を増す区間と言える。
全体を通じて急勾配もなく、比較的走りやすい区間。多少の出遅れもリカバリー可能な区間であり、過去には相澤晃(東洋大学)やイェゴン・ヴィンセント(東京国際大学)といった怪物級のスーパーエースもエントリー。他大学がつなぎ区間と捉えた際に明確な力差が生まれることから、首位交代→2位を30秒以上引き離す爆走も珍しくない。
アップダウンが特に多い区間で、距離以上にスタミナが求められる4区。過去には山川拓馬(駒澤大学)、西田壮志(東海大学)など箱根駅伝で山登りを担当したランナーの名前もあり、トラックには表れにくいロード適性に秀でたタイプにマッチした区間と言える。
ここからは7・8区に向けたつなぎ区間。フラットかつ下り基調の箇所もあるため、距離不安がある1年生が起用されるケースが多い。青木瑠郁(國學院大学)、佐藤一世(青山学院大学)の全日本大学駅伝デビュー戦はこの区間での区間賞獲得だった。
5区とは対照的に上級生が担当することが多い6区。勝負の終盤区間に向けて外したくはないという監督心理もあるのだろう。シード争いを繰り広げる大学はここにエース級を置く場合があり、過去には丹所健(東京国際大学)、吉居大和(中央大学)が起用された。
区間歴代10傑に田澤廉(駒澤大学)、近藤幸太郎(青山学院大学)、平林清澄(國學院大学)というチームの大黒柱が並ぶ7区。これまで襷をつないだ6区間とアンカーへの接着剤となる区間で、極端なアップダウンもなく単純な走力で差が出る区間だ。今年も各大学のエースがしのぎを削ることだろう。
8区間でもっとも長い8区。普通ならここに大エースを配置したくなるが、第55回全日本大学駅伝のように「ピクニックラン」になる可能性があることから、戦略に左右される区間と言えよう。いずれにせよ、箱根駅伝でも有事に2区を任せられるようなスタミナタイプが望ましい。
出場校
第56回全日本大学駅伝の出場校は以下の通り。
ビブス番 | 大学名 | 地区名 | 1 | 駒澤大学 | 関東 | 2 | 青山学院大学 | 関東 | 3 | 國學院大學 | 関東 | 4 | 中央大学 | 関東 | 5 | 城西大学 | 関東 | 6 | 創価大学 | 関東 | 7 | 大東文化大学 | 関東 | 8 | 東京国際大学 | 関東 | 9 | 札幌学院大学 | 北海道 | 10 | 東北大学 | 東北 | 11 | 東海大学 | 関東 | 12 | 東洋大学 | 13 | 早稲田大学 | 関東 | 14 | 日本体育大学 | 関東 | 15 | 立教大学 | 関東 | 16 | 帝京大学 | 関東 | 17 | 神奈川大学 | 関東 | 18 | 新潟大学 | 北信越 | 19 | 皇學館大学 | 東海 | 20 | 関西大学 | 関西 | 21 | 京都産業大学 | 関西 | 22 | 大阪経済大学 | 関西 | 23 | 立命館大学 | 関西 | 24 | 岡山大学 | 中国四国 | 25 | 鹿児島大学 | 九州 | 26 | 日本学連選抜チーム | オープン | 27 | 東海学連選抜チーム | オープン |
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レース展望
昨年の1区は団子状態となったが、基本的にはその想定で良いだろう。8区間を通じて最短距離の1区にエース級を起用することは考えにくく、実質2区からがレースのスタートという見方もできそうだ。
出雲駅伝を制し、追われる立場となった國學院大学。当時起用された6人に加えて後村光星、高山豪起、嘉数純平と昨年全日本大学駅伝を経験したランナーが順当にエントリー。人数増による戦力ダウンは考えにくく、優勝候補の大本命と言えるだろう。先の箱根駅伝までイメージするなら、1年生の飯國新太あたりをプレッシャーの少ない区間で使う戦略もあり得る。
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5連覇を狙う駒澤大学は出雲駅伝で國學院大学に肉薄。大エース・篠原倖太朗もヨギボーチャレンジ明けだった当時よりコンディションを上げてくるだろうし、再び平林清澄とのガチンコ勝負が実現する可能性は十分だ。そのためには出雲駅伝で走った6人以外の「もう2人」を誰にするかが重要。藤田監督が起用を示唆する谷中晴は出番濃厚として、篠原に続く4年生世代もしくは島子公佑以外の2年生世代の三大駅伝デビューが待たれる。
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目標に掲げた三冠が早々に途絶えてしまった青山学院大学。ここは箱根駅伝に向けて“お試しモード”で臨む可能性が出てきた。出雲駅伝のメンバーから数人を箱根駅伝本戦に待機させる形とし、黄金世代の呼び声もある1年生、折田壮太と安島莉玖を使うプランを練っていることだろう。特に安島は全国都道府県対抗男子駅伝1区3位と、ロードでの強さが際立つランナー。「ちょっと空いた時間に陸上の動画を観る」と語るように、競技へのストイックさも魅力だ。
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出雲駅伝でもダークホースに挙げた創価大学はベストメンバーとはほど遠かったが、4位確保は自力の証。“ロード最強”が大げさではなくなってきた吉田響に今回は出場するであろうスティーブン・ムチーニ、小池莉希がチームの中核を担う。箱根駅伝予選会で主力を温存した中央大学は溜池一太が故障の影響で起用が不透明、柴田大地も回復途上と台所事情が厳しく、夏のような暑さだった予選会から2週間での疲労回復も含めてシード権獲得が現実的なラインか。
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その他、今シーズン絶好調のヴィクター・キムタイ擁する城西大学や主力の多くが欠場だった出雲駅伝からのリベンジを誓う東洋大学も楽しみなメンバーが揃った。正月の大一番・箱根駅伝に向けた戦いはもう始まっている。
スタート時間・中継
2024年11月3日(日・祝)7:45~(テレビ朝日系列にて全国生放送)