各大学が夏合宿にさしかかった8月。各大学が三大駅伝の距離に対応しうる足作りを行い、10月以降の出雲駅伝、全日本大学駅伝、そして箱根駅伝と続く駅伝シーズンに力を蓄える時期だ。
この記事では、スティーブン・ムチーニ、吉田響と他大学がうらやむランナーを抱える創価大学のランナー別10000m持ちタイムを記載。その数字をもとに分析・展望を行う。
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創価大学駅伝メンバー2024 10000m持ちタイム
※2024年7月終了時点
学年 | 選手名(出身高校) | 自己ベスト記録 | 2年 | スティーブン・ムチーニ(ミクユニ) | 27.41.52 | 4年 | 吉田 響(東海大翔洋) | 28.12.01 | 2年 | 小池 莉希(佐久長聖) | 28.26.33 | 3年 | 石丸 惇那(出水中央) | 28.27.87 | 4年 | 藤ノ木 丈(十日町) | 28.31.13 | 4年 | 小暮 栄輝(樹徳) | 28.32.28 | 4年 | 吉田 凌(学法石川) | 28.36.30 | 2年 | 織橋 巧(中京) | 28.41.25 | 2年 | 齊藤 大空(利府) | 28.45.97 | 3年 | 野沢 悠真(利府) | 28.47.63 | 3年 | 黒木 陽向(九州学院) | 28.52.26 | 3年 | 山下 蓮(鎮西学院) | 28.56.93 | 1年 | ソロモン・ムトゥク(キャングマ) | 29.03.64 | 4年 | 濱口 直人(相洋) | 29.06.15 | 4年 | 若狭凛太郎(遊学館) | 29.11.27 | 3年 | 竹田康之助(東海大札幌) | 29.19.27 | 2年 | 川上 翔太(市立船橋) | 29.20.28 |
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留学生のスティーブン・ムチーニが絶対的エース
チーム内の1万m持ち時計ランキング1位はスティーブン・ムチーニ。1年時から箱根駅伝2区を任されると、今年はすでに2度の27分40秒台をマーク。単純計算では駒澤大学の篠原倖太朗級と言えるランナーだ。
創価大学の歴代留学生を見ると、三大駅伝もエース区間の起用は濃厚と見る。ムソニ・ムイル、フィリップ・ムルワはいずれも箱根駅伝2区起用。出雲駅伝は3区、全日本大学駅伝は7区のエントリーになるはずだ。野球で言う“不動の4番”が決まっているチームは強い。
日本人エース2人もゲームチェンジャー級
日本人に目を向けると、まず浮上するのが昨年の出雲・全日本大学駅伝で区間賞獲得の吉田響。今年は社会人に交じって出場した函館ハーフで1時間1分45秒、ホクレンディスタンス2024・深川大会の5000mは13分39秒94。距離やトラック・ロード問わず充実ぶりが目立っている。単独走と暑さに強いのが最大の特徴。速さ以上に“強さ”を感じる世代屈指のランナーだ。
小池莉希も今シーズン急成長のひとり。3名による争いとなった学生個人選手権男子5000mをぶっちぎりで制すると、ホクレンディスタンス2024・士別大会10000mはこちらも途中から先頭をひた走る展開に持ち込み、最後は交わされながら28分26秒33。単にトラックでタイムを縮めるだけではない、その先のロードを見据えた単独走強化をテーマにしたような走りには感銘を受けた。この選手はもっと強くなる。
2・3年生世代も“覚醒間近”
強力な世代に挟まれた形の3年生世代も負けていない。まだ三大駅伝で目立った活躍や主力区間の起用こそ多くないが、7月のホクレンディスタンスでは石丸惇那がPB更新。第97回箱根駅伝の往路優勝を経て入学した、歴代の創価大学における“最強世代”と呼べるラインナップがようやく覚醒の時を迎えようとしている。
だが、まだ足りない。ハーフマラソンで1時間1分46秒を持つ野沢悠真や箱根駅伝6区区間3位の川上翔太、全日本大学駅伝1区区間4位の織橋巧。すでに実績を持つこれらの選手が準エース級に到達することでより大きなタイトル獲得は現実味を帯びる。個人的に、今シーズンの創価大学は出雲駅伝の優勝候補筆頭。その確率をさらに上げるべく、夏合宿を経ての進化に期待したい。