【城西大学駅伝メンバー2024】キムタイが与えるチームへの好影響 妖精超えの斎藤将也は“山の神”最有力候補

戦力分析2024

新興勢力の台頭が目覚ましい学生長距離界。高校時代は無名だったランナーが大学でメキメキと力をつける光景は学生スポーツの正しい在り方を教えてくれるようだ。

この記事では、三大駅伝で2度の表彰台と強豪校の仲間入りをはたした城西大学のランナー別10000m持ちタイムを記載。その数字をもとに分析・展望を行う。

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城西大学駅伝メンバー2024 10000m持ちタイム

※2024年7月終了時点

学年 選手名(出身高校) 自己ベスト記録
3 ヴィクター・キムタイ(マウ) 27.41.04
3 斎藤 将也(敦賀気比) 27.59.68
4 平林 樹(拓大一) 28.03.13
3 鈴木 健真(一関学院) 28.53.43
3 桜井 優我(福岡第一) 28.57.38
4 久保出雄太(小松大谷) 29.06.79
2 中島 巨翔(日田藤蔭) 29.07.40
3 岩田 真之(鳥取城北) 29.17.91
4 林 晃耀(いわき総合) 29.26.31
1 三宅 駿(四国大香川西) 29.26.90
3 磯西 健心(開志国際) 29.34.02
3 小早川凌真(京都外大西) 29.35.49
3 山中 達貴(西脇工業) 29.37.65
2 熊井 志岳(相洋) 29.38.69
1 村木 風舞(御殿場西) 29.46.97
3 古橋 空弥(美濃加茂) 29.49.33
3 玉井 正紘(西京) 29.51.35
4 齋藤 彰人(田村) 29.52.14
2 水越 蒼生(前橋育英) 29.52.14
4 河野 温喜(名経大高蔵) 29.54.56
2 鈴木 仁都(名経大高蔵) 29.54.86
2 小田 伊織(西脇工業) 29.55.10
3 岡崎 文太(明成) 29.56.94
3 淺井晴大郎(農大二) 30.07.36
3 大沼良太郎(鹿島学園) 30.18.54

キムタイ・斎藤の3年生コンビがチームの主軸

昨シーズン、出雲駅伝と箱根駅伝で3位を確保した城西大学。大学史上最高のシーズンといっても過言ではなかったが、その立役者として名前が挙がるのがヴィクター・キムタイと斎藤将也だ。

前者は大学史上初の留学生ランナー。不慣れな環境で力を発揮できないケースも考えられたが、学年が上がるにつれて確実に存在感を増している。1万mの持ちタイム27分41秒04は大学史上最速。出雲駅伝・全日本大学駅伝で区間賞を獲得するなどロードの強さも兼ね備えたランナーの存在は心強い。

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キムタイに引っ張られるようにポテンシャルが開花したのは斎藤将也。1年生時に出場した激坂王決定戦で“山の妖精”山本唯翔を千切る快走でその名を知らしめたが、トラックでも1万m27分台と学生日本人トップクラスの実力の持ち主だ。普通に考えれば箱根駅伝は3年連続の2区起用が濃厚だが、あの激坂の走りをみると5区山登りを託したくなる。コンディションさえよければ1時間9分台は堅いだろう。

なお、斎藤はキムタイに挑むポイント練習(ヴィクター・チャレンジ)を通じて自身の限界値が引き上げられた。留学生ランナー起用の是非はいまだに議論されているが、日本人選手の能力を引き上げる役割を担う存在であることから、私は大賛成だ。

覚醒をはたした平林樹

斎藤の5区に夢を託せる理由が、今シーズンに覚醒をはたした平林樹の存在だ。昨シーズンは全日本大学駅伝が7区10位、箱根駅伝は9区10位と結果を残せず。その経験がバネとなったのか、5月の関東インカレで28分03秒13を叩き出し、チームメイトのキムタイに先着。想像だにしないジャンプアップは東京国際大学の伊藤達彦を思わせる。

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エース区間での勝負を望む平林。仮に主要区間を任せられるようならキムタイをゲームチェンジャー区間に置きつつ、5区に斎藤を置く布陣が現実味を帯びる。1位と1分30秒差なら逆転の往路優勝も……夢は大きいほうが良い。

低酸素トレーニングで続く躍進

ただ、トータルで計算すると昨シーズンからの戦力ダウンは否めないのが現状だ。第100回箱根駅伝で1区区間3位の野村颯斗、5区区間賞&区間新記録で金栗四三杯獲得の山本唯翔が抜けた穴をどう埋めるか……前述の3人以外と中間層との差があまりに大きい点は否めない。

それでもトラックだけでは測れない“実戦力”が優れているのが城西大学の強み。同大学を語るうえで欠かせないものとなった低酸素ルームを活用したトレーニングは、苦しくなったところからのひと踏ん張りを可能にするはずだ。城西大学の躍進はまだ止まらない。

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