エントリーメンバーも発表され、10月14日(月)の決戦へ機運が高まる第36回出雲駅伝。絶対王者がいた昨年とは異なり、ハイレベルの混戦模様の今年は予想する側の楽しみもありそうだ。
この記事では、出雲駅伝のエントリーから区間予想を実施。昨シーズンの覇者で全日本大学駅伝も制し二冠を達成した駒澤大学の展望を行う。
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出雲駅伝2024区間エントリー・順位予想 駒澤大学編
エントリーメンバーの5000m持ちタイム
学年 | 選手名(出身高校) | 自己ベスト記録 | 4 | 篠原倖太朗 (富里) | 13:15.70 | 3 | 帰山 侑大(樹徳) | 13:37.54 | 3 | 伊藤 蒼唯(出雲工業) | 13:44.49 | 1 | 桑田 駿介(倉敷) | 13:46.75 | 4 | 金谷 紘大(駒大) | 13:54.31 | 2 | 安原 海晴(滋賀学園) | 13:56.45 | 3 | 山川 拓馬(上伊那農業) | 13:56.92 | 2 | 島子 公佑(伊賀白鳳) | 13:58.58 | 2 | 工藤 信太朗(一関学院) | 13:59.70 | 1 | 谷中 晴(帝京安積) | 14:00.33 |
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ここでは出雲駅伝の区間距離を考慮し、5000mの持ちタイムを算出。篠原倖太朗がヨギボーチャレンジ2024で計時した13分15秒70は屋外日本人学生記録。今年の日本選手権で鶴川正也(4年・青山学院大)が記録した数字を上回る圧巻のパフォーマンスだった。学生の枠を超えたランナーと言える。
佐藤圭汰は今回エントリー外。大八木総監督の話では「全日本大学駅伝も間に合わないかもしれない」とのことで、5000mの学生最速ランナー不在が与える影響は計り知れない。山川拓馬、伊藤蒼唯の経験豊富な3年生コンビに加えて13分30秒台の持ちタイムがある帰山侑大、成長著しい1年生の桑田駿介あたりが有力候補となりそうだ。
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3区には大エースの起用を想定
2区……帰山 侑大
3区……篠原 倖太朗
4区……桑田 駿介
5区……安原 海晴
6区……山川 拓馬
1区は伊藤蒼唯と予想。地元・島根の出雲駅伝は昨年も走っており、箱根駅伝6区区間賞歴もある経験豊富なランナーだ。丸亀ハーフマラソン2024は1時間1分16秒で日本人大学生3位。出遅れ厳禁の区間で大きく外すことのない安定感を評価する。
5000mの持ちタイムが活きる2区は帰山侑大の起用を想定。5000mの持ちタイムはチーム上位にランクされており、全日本大学駅伝、箱根駅伝との比較でいえばもっとも走りやすい大会と言えるだろう。9月の日体大記録会は13分46秒33と良好な仕上がりをアピール。3区に待ち受けるであろう大エースに良い形でつなげたい。
3区は学生長距離界のエース・篠原倖太朗と予想。6区の選択肢もあったが、佐藤圭汰が欠場となり6区を前に駒澤大学のレースが終わってしまう可能性あり。3区であれば他大学と大きく離された状態で襷を受けることはないだろうし、仮に前に誰もいない順位なら独走もあり得る。
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今年は育成の年に位置付けられるが……
4区はすでに主力の風格を漂わせるルーキー・桑田駿介を抜擢。平坦がメインの出雲駅伝4区はプレッシャーがかかりにくい区間。高校時代ですでに29分切りを成し遂げたそうじゃ吉備路マラソン10kmの走りからロードは鬼レベルの可能性があり、篠原→桑田のリレーで区間上位をうかがう算段だ。
課題の5区は三大駅伝デビュー戦となる安原海晴と予想。強い上級生と『S』チームの後塵を拝した現2年生世代は実戦の場が少なかった世代。それゆえ伸びしろたっぷりと言えるのだが、その先陣を切る役割を兄・太陽が2年連続で走った5区の海晴に託したい。
締めくくりの6区は山川拓馬が濃厚。昨年の出雲駅伝は留学生ランナー相手に区間3位と大健闘。向かい風と単独走という厳しい気象コンディションをものともしない馬力がセールスポイントだ。トラックシーズンは10000mで28分30秒台と速さも身についてきた感あり。ライバルに引けを取らない走りが見られそうだ。
強い上級生が抜け、育成の年に位置付けられる今年の駒澤大学。主力4名(篠原、佐藤、山川、伊藤)は盤石だが、フルシーズンを戦ううえで準エース+中間層の強化が何よりの課題だ。9月の日体大記録界は軒並み好タイムと、夏合宿を経て成長の跡がうかがえる。良い意味で期待を裏切るパフォーマンスをチーム全体で成し遂げたとき、青山学院大学へのリベンジは完成する。