10月19日(土)に号砲を迎える第101回箱根駅伝予選会。立川を舞台とし、学生長距離界における最高の舞台を目指した戦いが幕を開ける。
この記事では、箱根駅伝予選会2024のエントリーから順位予想を実施。本戦出場濃厚な大学からボーダーラインの大学、サプライズ枠まで紹介したい。
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箱根駅伝予選会2024 順位予想
1位予想 中央大学
かつて、駒澤大学が予選会に回った年があった。ユニバーシアード金メダリストの片西景、のちの世界陸上マラソン日本代表・山下一貴らを要した盤石のメンバーは2位順天堂大学に7分もの差を付けた。今年もその再現がありそうだ。
今回は吉居駿恭&溜池一太に柴田大地と、チームのエース格を温存。前述の3人が不在でも勝ち抜けるとの判断だろう。フリーでタイムを稼ぐ候補はスーパールーキー・岡田開成に経験豊富な阿部陽樹、関東インカレ男子1部ハーフマラソン3位の白川陽大、10000m28分30秒台の本間颯あたりか。大集団で複数人転倒のようなことがない限り予選会突破は堅い。
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2位予想 東京国際大学
学生最速ランナーに君臨するリチャード・エティーリの転倒もあり、本選出場を逃した東京国際大学。ただ同選手ひとりのせいにするのは酷で、チーム全体に依存心があった可能性は否定できないだろう。
2度目の舞台ならエティーリも同じ轍は踏まないはず。加えて日本人選手も世界大学クロカン日本代表の佐藤榛紀、昨年の予選会でふた桁順位の川内琉生、冨永昌輝が残り、ホクレンディスタンス・10000mで28分21秒24をマークした木村 海斗もいる。リベンジの舞台へ準備万端だ。
3位予想 立教大学
上野裕一郎元監督の後任として、駒澤大学からやってきた高林祐介新監督。“駒澤メソッド”を取り入れつつ、いきなり全日本大学駅伝予選会突破という結果を出した。いち早く選手から信頼を得ることに成功した手腕は恐れ入る。
チームの主力は昨年の予選会で31位と好走した馬場賢人。今年もフリーでタイムを稼ぐ役割が期待されるランナーだ。國安広人、林虎大朗、稲塚大祐はいずれもふた桁順位でフィニッシュした実績ある選手たち。次なるステップとして、本戦出場→シード権獲得の目標を達成したいところ。
4位予想 神奈川大学
「今年の神奈川は違う」ホクレンディスタンスを終えた私の感想だ。
長年チームを率いた大後栄治監督からバトンを受けた中野剛新監督のもと、全日本大学駅伝関東地区の選考会を突破。夏のホクレンディスタンスでは4人が10000m28分台に突入と古豪復活の兆しを見せている。3年生エース・宮本陽叶は49位だった昨年の予選会より上の位置でゴールできるポテンシャルの持ち主。成長株の2年生・三原涼雅の欠場は痛手だが、箱根駅伝2025のシード権獲得も夢ではないと思う。
5位予想 日本体育大学
絶対的なエースこそ不在も、チーム全体が高いレベルでまとまっているのが日体大。エントリー14名中10名が4年生を占めており、残る3人も3年生と結束力のあるメンバーでの集団走は大きな強みとなる。上位10人がふた桁でフィニッシュすれば突破は確実。それを実現できるだけの経験値と大崩れしない安定感を評価する。
6位予想 中央学院大学
10000m27分47秒01を持つ絶対的エース・吉田礼志は日本人トップの最有力候補。この選手がタイムを稼ぐことがポイントだが、今シーズンの中央学院大学は吉田ひとりの力に依存していない印象を受ける。
3年生の近田陽路は学生ハーフで國學院大学の青木瑠郁に次ぐ2位。出雲駅伝で快走を見せた工藤慎作(2年、早稲田大学)、辻原輝(2年、國學院大学)に先着をはたした価値は高い。ふたりでタイムを稼ぎつつ、集団走で望む複数ランナーがふた桁台の順位でゴールテープを切ることができれば突破の可能性は高い。
7位予想 東海大学
10000mの持ちタイムや各選手のポテンシャルを考えれば、この順位での突破想定は低すぎるだろう。ただ、今回はダブルエースの一角・兵藤ジュダが欠場と苦しい台所事情にあるのは事実だ。
10000m28分8秒26の3年生・花岡寿哉はフリーの役割が濃厚。南坂柚汰、檜垣蒼と鳴り物入りで入学してきた下級生もハイレベルだが上位突破時代をあまり目的としていないチームプランゆえ昨年も10位という結果だった。予選会突破は堅いが上位ではない。そんな認識として捉えたい。
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8位予想 日本大学
留学生のシャドラック・キップケメイが絶対的存在。昨年は同選手が個人1位を獲得したことで全体5位まで順位が押し上げられたが、日本人ランナーの最高順位は56位、その次が99位では物足りない。何が起こるがわからないのが箱根駅伝予選会の怖さ。“シャドラック依存”を発症してしまうようだと、昨年の東京国際大学のようにならないとは言い切れない。
9位予想 順天堂大学
本来なら予選会にいるレベルのチームではない。丸亀ハーフマラソンで篠原倖太朗(4年、駒澤大学)と僅差だった浅井皓貴をはじめ吉岡大翔、永原颯磨と各世代のトップ・プロスペクトがズラリ。黄金期到来を予感させるメンバーだが……詳しくは記さないが澤木啓祐氏による“あの騒動”が尾を引く可能性は否定できない。
駅伝はチームスポーツ。中でも箱根駅伝の特殊性は群を抜いており、他大学もその目標のために個人の利益よりチームの底上げを果たす。日体大で3年生キャプテンを務め、箱根駅伝1区で大迫傑に次ぐ区間2位の力がありながら集団走でチームを引っ張った服部翔太が良い例だ。今の順天堂大学にそれをできる環境はあるのか?声を上げにくい状態ではないか?不安は尽きないが、期待も込めてこの順位予想とする。
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10位予想 麗澤大学
サプライズの初出場に抜擢するのは麗澤大学。毎年のように「今年こそは……」と言われているが、今年は箱根駅伝予選会2023で個人7位のデイビッド・シュンゲヤネイヤイ、同44位の鈴木康也、同69位の工藤大和が上級生の立場で参戦予定だ。この3人で1秒でもタイムを稼ぎつつ、集団走でなんとか粘って靴一足分でも早くゴールにたどり着く。そんな走りに期待したい。
“逆サプライズ”の候補に挙がってしまうのが昨年2位通過の明治大学。当時は児玉真輝、綾一輝、杉彩文海、鈴木祐太がそれぞれふた桁順位でチームを上位に押し上げたが、その4人は卒業&欠場で不在。トラックシーズンに目立った活躍がないのはタイムを狙う記録会にあまり出ていなかった影響もあると思うが、10000mの平均持ちタイムは出場校中14位と不安を覗かせるものだ。
この一戦を通過点にする大学、個人記録を狙わせる大学、ボーダーラインの戦いとなる大学……それぞれ立ち位置がそれぞれのドラマを呼ぶ箱根駅伝予選会。第101回箱根駅伝の切符獲得に向けた戦いはもうすぐだ。