第101回箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)は1月2~3日に行われる。
三大駅伝のフィナーレを迎えるが、今シーズンは上位3校+創価大学、城西大学が中心の模様。特殊な山区間など、箱根駅伝ならではの区間のマネジメントがカギとなりそうだ。
この記事では、箱根駅伝2025の区間予想を実施。今回は昨年2位の雪辱を期する駒澤大学だ。
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箱根駅伝2025区間エントリー予想 駒澤大学編
主要メンバーのハーフマラソン持ちタイム
学年 | 選手名(出身高校) | 自己ベスト記録 | 4 | 篠原倖太朗 (富里) | 1:00:11 | 3 | 伊藤 蒼唯(出雲工業) | 1:01:16 | 3 | 山川 拓馬(上伊那農業) | 1:01:36 | 3 | 帰山 侑大(樹徳) | 1:01:59 | 2 | 村上 響(世羅) | 1:02:04 | 1 | 谷中 晴(帝京安積) | 1:02:05 | 4 | 吉本 真啓(世羅) | 1:02:30 | 2 | 小山 翔也(埼玉栄) | 1:02:38 | 2 | 安原 海晴(滋賀学園) | 1:02:55 | 3 | 森重 清龍(高川学園) | 1:02:55 | 4 | 島子 公佑(伊賀白鳳) | 1:04:00 | 3 | 佐藤 圭汰(洛南) | - | 1 | 桑田 駿介(倉敷) | - |
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ここでは箱根駅伝の区間距離を考慮し、ハーフマラソンの持ちタイムを算出。ハーフマラソンの学生記録保持者である篠原倖太朗が1時間0分11秒とズバ抜けた持ちタイム。高温の出雲駅伝1区に全日本大学駅伝7区、高速レースの箱根駅伝1区と異なる条件で区間賞を獲得したように強さを兼ね備えた学生No.1級のランナーだ。外すことが考えられないチームの大黒柱と言えよう。
充実ぶりが目立つのは3年生世代。1年時から活躍を見せる佐藤圭汰、山川拓馬、伊藤蒼唯に続いて帰山侑大も今シーズン頭角を現してきた。三大駅伝デビューをはたした下級生も含め、課題の中間層が一気に強化されてきた印象を受ける。
駒澤大学の箱根駅伝2025区間エントリー予想
2区……篠原倖太朗
3区……佐藤 圭汰
4区……桑田 駿介
5区……山川 拓馬
6区……帰山 侑大
7区……谷中 晴
8区……森重 清龍
9区……伊藤 蒼唯
10区……吉本 真啓
ファンが待ちわびる篠原倖太朗vs.平林清澄の対決
1区は村上響と予想。全日本大学駅伝で三大駅伝デビューをはたすと、区間5位とまずまずの結果。自身は上りのある区間を希望しているとのことだが、六郷橋の上りで後れを取らなければ最低でも1位と20秒圏内で襷リレーが可能。上尾ハーフマラソンでも1時間2分4秒と好走しており、駆け引きの面でも信頼度が高い。
2区はエース・篠原倖太朗。どの区間もこなせるオールラウンダーだが、最終学年のここはエース区間で平林清澄との決着をつけたいところ。田澤廉、鈴木芽吹と日頃から『Ggoat』で切磋琢磨する先輩が越えてきた戸塚の壁を、今年は篠原が駆け上がる。
3区は大舞台に間に合う想定で佐藤圭汰を。純粋な走力なら学生の枠を飛び越えて日本で3本の指に入るレベルだが、今シーズンは故障に苦しんだ。出雲駅伝、全日本大学駅伝、さらには各種記録会も回避しぶっつけ本番で迎える一戦だが、出るからには万全に近い状態に仕上げるはず。仮に青山学院大学の太田蒼生が起用されるようなら、1年前のリベンジマッチだ。
山川拓馬は“悪条件の鬼”
鈴木芽吹、山川拓馬と2年連続でチームの準エース級が起用されてきた4区。今年は1年生の桑田駿介の抜擢と予想する。全日本大学駅伝はまさかの失速に終わってしまったが、同レース後初の実戦となった日体大記録会は10000mで28分12秒05と自己ベストを大幅に更新。終始レースを引っ張ったなかでの記録かつ、最後まで余裕すら感じさせる走りだった。この姿を見れば仮に青山学院大学の鶴川正也、國學院大學の辻原輝が使われたとしても互角に渡り合える未来を期待したくなる。
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5区6区の山区間はさまざまな選択肢が考えられる。5区は山川拓馬でほぼ確定だと思うが、6区は箱根駅伝2024で起用された帰山侑大、箱根駅伝2023の区間賞・伊藤蒼唯もいる。いずれも平地を走れるランナーだが、青学の独壇場が予想される区間だけに経験者ふたりが妥当か。特に山川は厳しいコンディションになればなるほど真価を発揮するランナー。日本体育大学が総合優勝をはたした2013年のような強烈な向かい風が吹いたとしたら、それは駒澤大学にとっての追い風だ。
夏合宿を経て急成長、現実味を帯びる王座奪還
つなぎ区間にアドバンテージがある國學院大學を考えたとき、7区は重要な区間。そこで候補として挙げたいのが谷中晴だ。1年生ながら全日本大学駅伝は4区区間3位。城西大学の日本人エース・斎藤将也と3秒差にとどめたのは大きな収穫と言える。國學院大学が今シーズンの駅伝で2度区間賞の野中恒亨を起用したとしてもやすやすと白旗を上げることにはならないはずだ。
8区には全日本大学駅伝でもエントリーされていた森重清龍と予想。島子公佑と迷ったが、上尾ハーフで距離への不安を覗かせてしまった島子との比較でこちらを取った。少々後れをとったとしても後述する9区でカバーする算段だ。
その9区は伊藤蒼唯の起用に期待。駒澤大学が総合優勝をはたした年の9区は西田隆維、高橋正仁、山野力と強力なランナーが総合優勝を手繰り寄せる快走を見せており、チーム内2位のハーフマラソン持ちタイムを誇る伊藤ならその資格は十分。ハーフマラソンの経験豊富な10区吉本真啓へと最高の形で襷リレーを行うのが藤田監督が描くビジョンか。
トラックシーズンで目立った結果が出ず「今年の駒澤大学はまずいのでは……」との声も囁かれて駅伝シーズン開幕前。フタをあけてみれば夏合宿を経て篠原中心にチームがまとまり、出雲駅伝、全日本大学駅伝と収穫だらけの2位フィニッシュをはたした。佐藤圭汰という最強のピースが加わったとき、王座奪還は現実味を帯びる。