駅伝シーズンが近づくこの季節。出雲駅伝を皮切りに始まる駅伝ファン待望の幕開けまでもう間もなくだ。
この記事では、昨シーズンの箱根駅伝を制した王者・青山学院大学のランナー別10000m持ちタイムを記載。その数字をもとに分析・展望を行う。
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青山学院大学駅伝メンバー2025 主な10000m持ちタイム
※2025年8月終了時点
学年 | 選手名(出身高校) | 自己ベスト記録 | 4 | 黒田 朝日(玉野光南) | 27.49.60 | 2 | 安島 莉玖(大垣日大) | 28.19.81 | 2 | 黒田 然(玉野光南) | 28.24.38 | 4 | 荒巻 朋煕(大牟田) | 28.32.48 | 3 | 鳥井 健太(大阪清風) | 28.33.64 | 2 | 小河原陽琉(八千代松陰) | 28.37.01 | 2 | 佐藤 愛斗(小林) | 28.40.40 | 4 | 宇田川瞬矢(東農大三) | 28.43.70 | 3 | 平松 享祐(中部大一) | 28.59.29 | 4 | 塩出 翔太(世羅) | 28.55.81 |
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大エース・黒田朝日は今年も健在
このチームの大黒柱は黒田朝日で異論なしだろう。2024年の第100回箱根駅伝では、エース区間の2区で区間賞を獲得。2025年は区間3位も区間新記録を樹立しており、チームの総合優勝に貢献した。押しも押されぬ学生長距離界のトップ級ランナーだ。
トラックでも10000mにおける青山学院大学の歴代最高記録をマーク。マラソンからトラックまでオールラウンドに駆け抜けており、アップダウンもあるコースも得意。大きな怪我もなく、レースで外すこともない。原晋監督からしたら、この上ない信頼を置けるのではないだろうか。今年も三大駅伝で区間賞争いの中心に位置することは間違いなさそうだ。
覚醒の予感が漂う2年生カルテット
ただ、太田鶴川若林野村という最強の世代が抜けたのも事実。彼らの卒業がチーム力低下を招くのは仕方ないが、その穴を埋める可能性を秘めるのが2年生世代だ。
特に注目したいのは4人。まず折田壮太は早くから世代最強と言われていたランナー。故障もあり箱根駅伝デビューはおあずけとなったが、持っている潜在能力はピカイチだ。そこに箱根駅伝10区区間賞の小河原陽琉、ハーフマラソンやトラックで着実に記録を伸ばしている安島莉玖、黒田然がそれに続く。黒田然は山区間を希望しているとのこともあり、区間賞コンビが抜けた山区間の救世主になれるだろうか。
上級生は箱根駅伝一本の仕上げか?
その他、すでに実績がある上級生では宇田川瞬矢、塩出翔太、荒巻朋煕らが控える。青山学院大学の戦略として、まず何より箱根駅伝優勝が第一目標。言い方は悪いが出雲駅伝、全日本大学駅伝はその叩き台にあたるわけで、そこで2年生の経験を積ませつつ、4年生は箱根駅伝一本に絞ったピーキングをすることが予想される。それができる選手層の厚さは大きな武器だ。
早稲田大学との違いでいえば、現時点で目立った活躍をした1年生は不在。個人的に榅山一颯は早期デビューが見込めるランナーだと思うが、今シーズンはじっくり力を溜める方向性なのかもしれない。