【早稲田大学駅伝メンバー2024】チームの大黒柱は山口智規 1万m27分台ランナー・石塚と“山の名探偵”工藤も注目

戦力分析2024

9月に入り、夏合宿後の疲労もピークを迎える時期にさしかかった。10月からスタートする駅伝シーズンに向けて体調管理が重要な季節と言えるだろう。

この記事では、三冠達成から早10年以上、戴冠奪取を虎視眈々と狙う早稲田大学のランナー別10000m持ちタイムを記載。その数字をもとに分析・展望を行う。

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早稲田大学駅伝メンバー2024 10000m持ちタイム

※2024年7月終了時点

学年 選手名(出身高校) 自己ベスト記録
4 石塚 陽士(早稲田実業) 27.58.53
3 山口 智規(学法石川) 28.17.87
2 工藤 慎作(八千代松陰) 28.31.87
4 伊藤 大志(佐久長聖) 28.37.34
4 伊福 陽太(洛南) 28.55.78
1 山口 峻平(佐久長聖) 29.11.26
3 間瀬田純平(鳥栖工業) 29.13.46
4 菅野 雄太(西武学園文理) 29.25.21
4 和田 悠都(早稲田実業) 29.33.13
2 山崎 一吹(学法石川) 29.39.35
3 藤本進次郎(清風) 29.39.50
1 吉倉ナヤブ直希(早稲田実業) 29.40.39
2 武田 知典(早稲田実業) 29.41.30
2 長屋 匡起(佐久長聖) 29.42.54
3 伊藤幸太郎(春日部) 29.44.34
3 宮岡 凛太(鎌倉学園) 29.46.31

大黒柱・山口智規の存在感は絶大

推薦枠の都合もあり、少数精鋭の言葉がふさわしい早稲田大学長距離ブロック。そのなかでひと際存在感を放つのが山口智規だ。昨年11月の上尾シティハーフマラソンでは、偉大な先輩・大迫傑(Nike)のハーフマラソン早大記録を更新する1時間01分16秒を記録。当時2年生にして学生トップクラス級のポテンシャルを示した。

勢いそのままに臨んだ第100回箱根駅伝では、数々の伝説を打ち立てた渡辺康幸(現・住友電工陸上部監督)の2区早稲田大学記録を更新。シューズの違いこそあれ、臙脂(えんじ)がつないだ最強ランナーの系譜を受け継ぐものと認められた瞬間と言えよう。

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クロカン日本選手権では並み居る社会人相手を下し優勝。ロードシーズンの締めくくりとなったニューヨークシティハーフは日本勢トップと“格上挑戦”を敢行し経験を積んだ。押しも押されぬチームの大黒柱。出雲駅伝は3区、全日本大学駅伝は7区、箱根駅伝は2区。花田監督の青写真はすでに描けているだろう。

スピードランナーと“一般組”の融合

4年生世代の層も厚い。1万mで27分台の持ちタイムがある石塚陽士、3000mで7分58秒64をマークした伊藤大志はいずれもスピードに秀でたタイプ。満足のいく結果が残せなかった春シーズンを経て、夏場の足作りでスピード+スタミナの下地が整えば本来の力を発揮できるはずだ。

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延岡西日本マラソンを制した伊福陽太はいわゆる“一般組”。同じような境遇から早稲田大学に入った菅野雄太ともども、地道な努力で叩き上げられたスタミナと精神力は復路の主要区間でチームを押し上げる役割をはたしそうだ。

1年生のスカウティングの質は“NO.1”

下級生に目を向けると、工藤慎作が頭ひとつ抜けている感あり。“山の名探偵”の異名で知名度を上げたことから想像がつくかもしれないが、箱根駅伝5区を走り区間6位と健闘。学生ハーフ2024は3位に入るなどメキメキと力とつけている。全日本大学駅伝の関東地区選考会は山口智規とともに最終組を任されるなど監督の期待も大きい。

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もうひとり、チームの起爆剤として爆発が待たれるのは山口峻平だ。佐久長聖→早稲田大学は大迫傑と同じルート。高校時点で5000m13分34秒59をマークしており、即戦力の言葉が大げさではない。三大駅伝はスピード区間での起用が濃厚。ロードの強さは都大路駅伝、全国都道府県対抗男子駅伝で証明済みだ。

こうしてみると、ひとりひとりの潜在能力は優勝候補の大学にも引けを取らない。ハマったときの爆発力から、三大駅伝でも台風の目としてレースを賑わせてくれることだろう。名門復活の日は近い。

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