陸上競技も終盤にさしかかった高校総体(インターハイ)2024。
“真夏の大冒険”を続ける高校生たちの熱い戦いに彩りを加えてたのが躍動したのは“最強高校生コンビ”落合晃&久保凛。今回はそんな二人が登場した男子・女子800mを振り返る。
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高校総体(インターハイ)2024陸上 男子・女子800m結果リザルト
落合晃の日本新記録の陰にフェリックス・ムティアニの存在
【インターハイ男子800m決勝結果】
1⃣落合晃(3年・滋賀学園) 1'44"80
2⃣フェリックス・ムティアニ(2年・山梨学院) 1'45"10
3⃣渡辺敦紀(2年・洛南) 1'49"27落合晃は日本高校記録&大会記録を更新!
— キテタボーイズ@駅伝なう (@ekiden_now) July 31, 2024
日本選手権800mを制した落合晃(3年・滋賀学園) 。レース後に拳を地面に叩きつけたその姿が印象深い“最強高校生”が真夏の福岡でさらなる進化を遂げた。
戦前からフェリックス・ムティアニ(2年・山梨学院)との一騎打ちが予想された今回。先頭で最後の直線を迎えたのはムティアニだったが、ラストスパートで落合が前にて先頭でゴール。1分44秒80のフィニッシュタイムは堂々の日本新記録樹立だ。
このレースで落合が示した凄さはふたつある。まず1つ目は、シンプルに誰の目にもわかる数字を叩き出したこと。パリ五輪参加標準記録にあと0秒10に迫る時計だ。基準の大幅な引き上げがない限り、世界選手権や次回のロサンゼルス五輪は最有力候補だろう。
そしてもうひとつ、ラストの驚異的な伸び。高校生レベルでは独走=単独走を強いられることで風の影響を受けやすく、最後のひと伸びが足りなくなってしまうが、今回はムティアニの存在が落合のポテンシャルをもう一段階上へと引き上げた。留学生に対する賛否両論はあるが、私は大賛成。締め出すようなことがあれば今回のような“限界突破”はまず起こり得ない。
久保凛に勝負を挑むランナーが……
【インターハイ女子800m決勝結果】
1⃣久保凛(2年・東大阪大敬愛) 2'00"81
2⃣北村凛(3年・東大阪大敬愛) 2'06"24
3⃣佐々木(2年・平田) 2'07"45久保凛は大会新記録での優勝!
— キテタボーイズ@駅伝なう (@ekiden_now) July 31, 2024
久保凛が勝つのは当然の結果。しかし、先ほどの落合と対比させてもらうと独走=単独走を強いられたことで1分台に届かなかったのでは、との思いが頭をよぎってしまう。
高校生同士における久保凛の存在は勝負する気すら起きなくなるアンタッチャブル・モンスター。それはわかる。すごくわかるが……誰ひとり勝負に行かなかったのは少し不満が残ってしまった。
競り合う相手がいることで潜在能力が覚醒するのは落合晃×フェリックス・ムティアニが証明済み。外野の勝手な望みだが、久保凛には海外に飛び出していってほしい。こんな逸材、向こう10年は出てこないのだから。
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