2025年1月2~3日に行われる第101回箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)。
各大学はすでに調整期間に入っており、あとは体調不良なく本番を迎えてほしいのが駅伝ファンの本音。病み上がりで20km超を走るのは難しく、体調だけは万全にあってほしいと切に願う。
この記事では、箱根駅伝2025の区間予想を実施。今回は2023年の箱根駅伝2位・中央大学だ。
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箱根駅伝2025区間エントリー予想 中央大学編
エントリーメンバーのハーフマラソン持ちタイム
学年 | 選手名(出身高校) | 自己ベスト記録 | 4 | 阿部 陽樹(西京) | 1:02:05 | 3 | 白川 陽大(大塚) | 1:02:18 | 2 | 本間 颯(埼玉栄) | 1:02:45 | 4 | 山平 怜生(仙台育英) | 1:02:48 | 3 | 溜池 一太(洛南) | 1:03:18 | 3 | 吉中 祐太(豊浦) | 1:03:21 | 2 | 鈴木耕太郎(國學院久我山) | 1:03:21 | 2 | 藤田 大智(西脇工業) | 1:03:21 | 1 | 田原琥太郎(西条農業) | 1:03:34 | 4 | 園木 大斗(開新) | 1:03:40 | 3 | 吉居 駿恭(仙台育英) | 1:03:45 | 1 | 並川 颯太(洛南) | 1:03:53 | 1 | 岡田 開成(洛南) | 1:04:28 | 1 | 原田 望睦(東農大二) | 1:05:01 | 1 | 佐藤 大介(埼玉栄) | 1:05:09 | 4 | 浦田 優斗(國學院久我山) | 1:05:58 |
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ここでは箱根駅伝の区間距離を考慮し、ハーフマラソンの持ちタイムを算出。1時間1分台こそいないが、あまりハーフマラソンの大会に出場しないチーム方針ゆえ参考程度と捉えたいところだ。
充実ぶりが目立つのは1年生。5人がエントリーメンバーに名を連ねているが、そのうち4人が10000m28分39秒台以内を記録しているのだ。全大学を見渡しても、現時点での1年生の選手層はNo.1。黄金世代がチームを引っ張る。
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中央大学の箱根駅伝2025区間エントリー予想
2区……溜池 一太
3区……吉居 駿恭
4区……本間 颯
5区……田原琥太郎
6区……浦田 優斗
7区……佐藤 大介
8区……阿部 陽樹
9区……白川 陽大
10区……吉中 祐太
1-3区にはスピードランナーを並べる
吉居大和、溜池一太など中央大学の1区は下級生の有望株が起用されるケースが目立つ。その流れを汲むと岡田開成がその役割を担いそうだ。入学後から自チームや他大学の上級生を飲み込んできたラストスパートが最大の持ち味。極端なハイペースが見込まれない想定から、得意の形でチームに勢いをもたらす。
2区は藤原監督が溜池一太の起用を名言。今シーズンのチームにおける初の27分台ランナーでもあり、アメリカ合宿を経て急成長を遂げた。スピードランナーゆえ留学生が作り出すハイペースは歓迎。ラスト3kmの上り坂を粘ることができれば区間上位も視野に入る。
ハイレベルな戦いが予想される3区は吉居駿恭を。トラックとの比較でロードは持ち味を発揮しきれないレースが続いたが、第100回箱根駅伝は7区区間賞。シード落ちに終わったチームで気を吐いた。全日本大学駅伝での凡走から復権を期したMARCH対抗戦2024は27分44秒48の快走。スピード勝負なら佐藤圭汰にも引けをとらない。
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中央大学の課題である5区問題
前述のMARCH対抗戦で27分台ランナーの仲間入りをはたした本間颯は4区に。ポテンシャルと結果が比例しない時期を経て、ついに大爆発。個人的には2区を任せて向こう2年は区間配置に迷わない選択をしてほしかったが、山登りの前の重要区間での起用とみた。
そして5区。ここは1年生の田原琥太郎の抜擢と予想する。駅伝シーズンでは出番がなかったものの、U20日本クロカン5位入賞、東京レガシーハーフマラソン2024では中盤で単独走を強いられながら1時間3分34秒の好記録。本人が希望する山登りの区間で一定の結果を残せれば、中央大学の課題である5区問題が一気に解決する。
山下りの6区は浦田優斗で解決済み。第138回関東10マイル・10㎞ロードレース大会は47分25秒と順調な仕上がりをアピール。特殊区間に計算が立つランナーが控えるアドバンテージは計り知れない。
大逆転での下剋上Vも夢物語ではない
往路に主力選手をつぎこむ想定から、7区以降は我慢の駅伝となりそう。その7区は1年生・佐藤大介を挙げるが、全日本大学駅伝は6区で区間7位とまずまずの結果。男鹿駅伝での快走からロード適性の高さは申し分なく、単独走の可能性がある区間でもそつなくこなしてくれることだろう。
8区には阿部陽樹を。1年時から箱根駅伝デビューと経験豊富な最上級生で、本人も昨年苦しんだ区間でのリベンジを誓う。裏エース区間の9区は関東インカレ男子1部ハーフマラソン3位、箱根駅伝予選会チーム1位の白川陽大。往路区間でも戦えるランナーだが、この区間に置くことでシード権、さらには優勝争いへの一縷の望みをつなぎたい。
最終10区は吉中祐太の起用を想定。距離こそ長いが、クセが少なくスピードを生かせる区間でもあり、5000mの持ちタイムがエントリーメンバー中4位のスピードに白羽の矢を立てる。
優勝候補の一角に挙げられた前回大会はまさかのシード落ち。その背景に主力選手に体調不良が相次いだが、今シーズンも箱根駅伝予選会、全日本大学駅伝と泥臭さが求められる戦いで脆さを覗かせてしまった。それでも10000mの持ちタイムは全出場校中1位と潜在能力の高さは折り紙付き。絶好の気象コンディションで区間新記録祭りとなった箱根駅伝2020のようになれば、大逆転での下剋上Vも夢物語ではない。